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京都大学On-site Laboratory

地震・津波未災学国際Lab(iLETs)の概要

京都大学防災研究所(DPRI)は、長年にわたり地震・津波災害に関する研究を進めてきました。特に、世界の沈み込み帯で発生する巨大地震と津波のリスク評価や防災対策の研究を推進し、日本国内だけでなく国際的な防災研究のネットワークを構築してきました。その一環として、2024年にメキシコ国立自治大学(UNAM)と連携し、「地震・津波未災学国際Lab(iLETs)」 を設立しました。iLETsの設立は、これまで防災研究所が実施した国際共同研究の流れを受けたものです。

iLETs設立の背景

SATREPS*の枠組みの中で、我々は2016年から2022年にかけて「メキシコ沿岸部の巨大地震・津波災害の軽減に向けた総合的研究」を実施しました。また、2023年からはエルサルバドルを含む中米地域にも対象を広げ、「北中米太平洋沿岸部における巨大地震・津波複合災害リスク軽減に向けた総合的研究」を開始しました。これらの国際共同研究を基に、より広範な国際科学技術協力の展開を見据えてiLETsを立案しました。

iLETsでは、これらの国際共同研究の成果を活用し、日本と中南米地域に共通する地震・津波災害リスクの比較研究(比較地震・津波災害科学)を推進します。従来の地震学的研究に加え、工学・社会科学的視点を取り入れた学際的アプローチを採用し、防災・減災に向けた科学的知見の発展を目指しています。さらに、研究成果の社会実装にも注力し、政策立案者や防災実務者と連携したリスクコミュニケーションの強化を進めます。

*SATREPS(地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム)は、日本の科学技術振興機構(JST)と国際協力機構(JICA)が共同で実施する国際共同研究プログラムです。

iLETsの活動

具体的には、以下のような活動を展開しています。

• 地震・津波リスク評価と防災対策の共同研究
• 海底および陸上観測データの活用によるハザードマッピング
• 地域住民・行政機関との連携による防災教育・訓練の実施
• 日・中南米の研究者交流の促進(ワークショップ・サマースクールの開催)

地震・津波未災学国際Lab(iLETs)

iLETsは、日本と中南米地域における防災研究のハブとしての役割を果たし、持続可能な国際的防災ネットワークの構築を目指します。

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